episode 01.
サッカーとともに踏み出した海外への一歩

皆さん、初めまして。テキサス州ダラス在住のMikiです。大学時代の4年間を過ごしたダラスに戻って3年目になりました。現在は幼児・小学生向けのサッカースクールを運営しており、駐在でダラスに滞在しているご家庭のお子さんにも多く通っていただいています。私が日本でサッカーを始めたのは、9歳の頃でした。それまで水泳やダンスなど他の習い事をしていましたが、1番「できない・難しい」と感じたのがサッカーでした。大変でやめたいと感じることもありましたが、気づけばそんなサッカーに夢中になり、中学・高校は地元神戸のクラブチームに所属し、学校とクラブを行き来するサッカー中心の生活を送りました。

高校2年生のとき、「大学生になるまでに海外生活を経験してほしい」という母の思いから、ニュージーランドへ単身で1年間留学することになりました。英語も分からない、誰も知らない場所にいきなり飛び込み、授業や寮生活では大変なことばかりでした。日本では器用にこなせていたことも、海外では思うようにできない。そんな自分に直面し、自信をなくしてしまうような出来事もたくさんありました。その中で、心の支えになったのがサッカーでした。

言葉が十分に通じなくても一緒に楽しくプレーすることができ、自然と友達も増えていく。サッカーの おかげで、海外でも自分の居場所を見つけることができました。

episode 02.
思い出のダラスで始めた新たな挑戦

日本の高校を卒業した後、大学時代の4年間をダラスで過ごし、運動生理学を専攻して卒業しました。私にとってそんな縁の深いダラスに2年前に戻り、「これまでサッカーを通じて学んできたことを、次は自分が伝えていきたい」という思いから、サッカースクールをスタートしました。学生時代に経験した合計6年間の海外生活では、さまざまな考え方を持つ人たちの中に入り、その環境に順応していくという挑戦を何度も経験しました。競争意識も持ちながら、周りと比べて自分に足りないところを磨き、スキルを高めていく時間でもありました。

そんな私がダラスに戻ってきて、次にチャレンジしたいと思ったのが、「自分のアイデンティティや、これまで学んできたことを活かして1つの形をつくること」でした。そのためには、周りと自分を比べるのではなく、「自分はどうしたいのか」という思いに向き合い、自分を信じて一歩を踏み出す必要がありました。

最初は数名からのスタートでしたが、色々な方にも助けてもらいながら、少しずつスクールを成長させることができました。現在は、50名ほどのお子さんが通ってくれています。何より、来てくれる子どもたちと一緒にボールを蹴って「サッカーは楽しい」と感じられる時間を過ごせていることが、私の喜びになっています。

episode 03.
ワールドカップで得られた新たな経験

この夏、北中米3カ国で開催されたサッカーワールドカップ。ダラスで日本代表がオランダ戦・スウェーデン戦の2試合を行うことが決まったのは、半年前の12月のことでした。 ダラス在住で長くサッカーに関わってきた私にとって、それは人生最大とも言えるニュースとなり、同時に「ダラスのことを知ってもらえるチャンスだ」とも感じました。そこからオンラインでの発信をスタートし、ダラスへ現地観戦に来る人たちへ向けて必要な情報を届けたり、ガイドブックを出版したりと、その時々で自分にできると思ったことに挑戦してきました。

サッカースクールとしては、W杯期間中に日本から来た子どもたちと、ダラス在住の子どもたちでサッカー交流会を3回開催することができました。たくさんの新しい出会いがあり、私も子どもたちも、改めてサッカーの持つポジティブな力を感じられる機会になったと思います。そうした過程の中で、NHK・テレビ東京・読売新聞など、日本のメディアにも取り上げていただき、私のことやスクールの活動を色々な人たちに知ってもらう機会にもなりました。

ワールドカップで日本代表がダラスで2試合をしてくれたことは、本当に幸運だったと感じています。一方で、2年前に始めたダラスでのサッカースクールやオンラインでの発信、さらにさかのぼれば、これまでサッカーや海外生活で経験した大変なことも、今回の機会に確実につながっていたと感じることができました。

周りと違う選択をして一歩を踏み出した時ほど、すぐには成果が出ず、「これで良いのだろうか」と立ち止まりたくなることが何度もありました。それでも、「自分がやりたいこと」「自分の成長につながると思うこと」を選んでコツコツ頑張ってきたことが、今回一つの形となって実を結んだ。今回のワールドカップを通じてそう感じられたことが、私にとって何より嬉しい経験になりました。

episode 04.
今、海外で過ごす皆さんへ

今、日本を離れて生活している皆さんも、目の前の環境にうまく馴染めなかったり、難しさを感じていることがあるかもしれません。 私自身も、これまでの人生で思うようにいかず、葛藤を抱えて過ごしたことが多くありました。

それでも今振り返ると、そうした苦しさや迷いは、目の前のことに一生懸命向き合っていたからこそ、そして「自分はこうしたい」という前向きな思いを持っていたからこそ生まれたものだったのだと分かります。当時悩みながらも過ごした経験が、今の私を精神的に強くしてくれました。

日々の生活の中で、「テストで良い点が取れた」「試合で活躍できた」など、分かりやすいものさしで自分や周りの人を評価したくなることもあるかもしれません。しかし、本当に重要なのはそうした一時的な結果でなく、目に見えないところで自分がどれだけチャレンジできたか、新しい経験ができたか。そういったことに価値を置き、1つずつ積み重ねていくことで、本当に将来の自分に必要な力を身につけていくことができると感じます。

今、大変だと感じることも、まずは「慣れない環境で十分頑張っている」と自分を認めて、目の前にある「やりたい」「できる」と思うことから一歩ずつチャレンジしていってほしいです。私自身もこれからの人生、そうした思いで目の前のことに取り組み、少しずつ経験・成長していけると良いなと思います。

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